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<爻辞>
「引きて兌ぶ」
<読み方>
ひきて よろこぶ。
<爻辞の意味>
「引き付けて悦ぶ」
「兌為沢」とは「悦び楽しむ」ことについて説かれた卦(か)です。
そんな中この上爻は、悦び楽しむことの頂点にいる者です。
自分自身は才能や道徳が乏しいのですが、有力な人物を自分に引き付けることにより、悦び・幸福を手にしようとします。
ここに吉凶が示されていないのは、この行く末がまだ未定だからとされています。
この上爻が有能な人物の誘惑に成功してしまうなら凶となりますし、もし反対にこの上爻が有能な人物に感化され善良な者となるならば吉なのです。
※ こちらは漢文学者の公田連太郎先生の解説に基づいておりますが、下の加藤大岳先生は一部違った解釈をなさっています。
色々な説を読むのも勉強になりますので、ぜひご覧ください。
「占った事柄」と「上記の説明」を、スライドガラスを2枚重ね合わせるようにして解釈してみて下さい。
また、下記の
「加藤大岳述 易学大講座」の要約も、ぜひ併せてお読みになり理解を深めましょう。
<説明の要点>
この上爻が成卦主爻です。
艮為山の主爻である上爻に「艮まるに敦し」とあったように、兌の貞にして吉なる道を示したもので「引かれて悦ぶ」です。
沼沢の水が引き用いられて効を致すように、悦びもまた、先んじて悦びのみを来たそうとする甘言やへつらいでなく、引かれて兌ぶ順ましやかさを尊ぶのです。
そのように兌びが露わに大げさでないことを宜しいとします。
(加藤大岳述 易学大講座 現代語要訳)