ふうらいえき初

独学者のための易経解説
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風雷益 初爻

ふうらいえき しょこう
まずは、やさしい解説から

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<爻辞>
「用て大作を為すに利ろし。元吉。咎なし」

<読み方>
もって たいさくを なすに よろし。げんきち。とがなし。

<爻辞の意味>
「大いに仕事をするのがよろしい。大吉。咎められる過失はない」

「風雷益」とは「物を増す。益すること」について説かれた卦(か)です。

そんな中この初爻は庶民であり、上から大きな恩恵を受けています。

そのため、それに報いるために農業その他、できる仕事に大いに励むのが良いと言っています。

それならば大吉であり過失もないのです。


「占った事柄」と「上記の説明」を、スライドガラスを2枚重ね合わせるようにして解釈してみて下さい。

また、下記の
「加藤大岳述 易学大講座」の要約も、ぜひ併せてお読みになり理解を深めましょう。


加藤大岳述 風雷益 初爻

<説明の要点>

これは上から益される側の主爻で、益されて裕かなことを「大作」と表現しています。

「大作」と言えば「大きな仕事」という意味であり、土木工事などもそれに当たりますが、農耕に力を注ぐなどもやはり大作です。

下の乏しさを補うためには色々な事業を起こすのですが、それらの事業はいわば公益的なもので直接的な生産とはならない場合が多いです。

しかし農耕は食料の豊かさをもたらし、民を飢えさせない事こそ、益道の第一と言わなくてはなりません。

益の初めに当たっては、上記のような大作をして大いに吉を得ることができます。

それで元吉とありますが、それでは「咎なし」のほうは、どのような意味でしょうか?

それは、下が貧しく困っていたその咎を無くすことができるという意味です。

本来の益の目的から言えば、元吉よりも、むしろ咎なしのほうが主要だとも言えるほどです。

卑しい下々の者が、自らのことさえととのえることができず、公益に献身することもできないような時にあっては「用て大作を為」してこそ初めて元吉にして咎なきを得るのだと説いています。

加藤大岳述 易学大講座 現代語要訳)


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