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<爻辞>
「渙の時、其の大號を汗にす。王居を渙らして咎なし」
<読み方>
かんのとき、その だいごうを かんにす。
おうきょを ちらして とがなし。
<爻辞の意味>
「散り乱れているとき、大いなる命令を行き渡らせる。王の蓄財を散らして咎なきを得る」
「風水渙」とは「散る、散らす」ことについて説かれた卦(か)です。
そんな中この五爻では「国内が分散し統一されていない中、王が大なる命令を出す」と言っています。
それが体中から噴き出る汗のごとく、国全体に行き渡るのです。
そして(こちらは諸説あるようですが)王の蓄財(米や金銭等々)を万民に散らし与え、咎なきを得るとしています。
「占った事柄」と「上記の説明」を、スライドガラスを2枚重ね合わせるようにして解釈してみて下さい。
また、下記の
「加藤大岳述 易学大講座」の要約も、ぜひ併せてお読みになり理解を深めましょう。
<説明の要点>
発汗によって、その病を散らせようとするように、尊位にあるこの五爻は巽の命令を発して天下の憂悶を渙散させます。
それを「大號を汗にす」と言っています。
しかし政令でもって苦しみから解放させるだけでなく、不時の備えとして倉庫に所蔵する米や金などというものを渙らし与えて、天下の帰服を得るというのです。
(加藤大岳述 易学大講座 現代語要訳)