ふうたくちゅうふ2

独学者のための易経解説
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風沢中孚 二爻

ふうたくちゅうふ にこう
まずは、やさしい解説から

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<爻辞>
「鳴鶴陰に在り。其の子之に和す。我に好爵有り。吾爾と之を靡にせん」

<読み方>
めいかく いんに あり。そのこ これに わす。われに こうしゃく あり。われ なんじと これを ともにせん。

<爻辞の意味>
「鶴が茂みの陰で鳴いている。その子供はそれに合わせて鳴く。美味しい酒を分かち合おう」

「風沢中孚」とは「真心が信頼関係を生む道」について説かれた卦(か)です。

そんな中この二爻は、鶴の親子に喩えられています。

親鶴が沢の陰から鳴き声をあげると、それに応じて高いところから子鶴が鳴き返します。

それは人であれば、美味しいお酒があれば分かち合ってともに飲もうとするような信頼関係に値するという意味です。


「占った事柄」と「上記の説明」を、スライドガラスを2枚重ね合わせるようにして解釈してみて下さい。

また、下記の
「加藤大岳述 易学大講座」の要約も、ぜひ併せてお読みになり理解を深めましょう。


加藤大岳述 風沢中孚 二爻

<説明の要点>

鳴鶴とは、親鶴です。

その鳴き呼ぶ声に、子鶴が応えるのです。

これを人に当てれば、自分には美味い酒があるのを独り占めして喜ぶことをせず、爾にも分け与えたいと心の底から孚を尽くすようなものである、というのが爻辞の大意です。

ところで、どの爻を親鶴とし、どの爻を子鶴とするのか…。

実に沢山の説が、昔から存在します。

しかし私、加藤大岳は、そもそも「其の子」というのを子供ではなく「夫子」とする新しい見方に賛成しています。

そして「鳴鶴」は親鶴ではなく「雌鶴」なのです。

夫に当たる応位の五爻と、妻の二爻の間には二陰爻があり、しかも両爻は陽同士なので応和することが妨げられています。

それが「陰に在り」にあたります。

しかし中孚の時にあって、相孚しようとする情愛は強く、雄鶴を鳴き呼べば、五爻もまたこれに応えて鳴き交わすと言うのです。

そのように解釈することで、五爻の爻辞「孚有りて攣如たり」が照応してくるはずなのです。

「好爵」にも諸説ありますが、美味い酒(好酌)とするのが正しいでしょう。

兌をもって好酌の象とします。


加藤大岳述 易学大講座 現代語要訳)


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