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<爻辞>
「鴻、木に漸む。或いは其の桷を得。咎なし」
<読み方>
こう、きに すすむ。あるいは その たるきを う。とがなし。
<爻辞の意味>
「鴻が木に進んだ。あるいは平らな枝を得る。咎められる失敗はない」
「風山漸」とは「徐々に進む」ことについて説かれた卦(か)です。
鴻(コウ = カモより一回り大きいくらいの水鳥)が水から離れて徐々に高いところへ行く様子に喩えて、各爻が説かれています。
そんな中この四爻は、鴻が平原からまた一歩進み、木の枝にまで上がりました。
しかし鴻は水鳥ですから、脚には水かきがついており、枝をつかむことはできません。
そのため鴻にとっては、この木の枝というのは最も不安定な場所です。
しかし、もし平らな枝を見つけられたのならば落ちる心配も少なく、咎められるような失敗は免れると言っています。
正しい道を守って少しずつ進むのならば、失敗を避けられるという意味です。
「占った事柄」と「上記の説明」を、スライドガラスを2枚重ね合わせるようにして解釈してみて下さい。
また、下記の
「加藤大岳述 易学大講座」の要約も、ぜひ併せてお読みになり理解を深めましょう。
<説明の要点>
この爻は、木に進みました。
木もまた、水鳥の鴻にとっては、安んずることのできない場所です。
しかし陰位に陰でいるので、漸の道に処し、急進の危さがありません。
夫婦で言えば、外卦巽の主爻として巽順をもって夫に従うようなものです。
木の枝の平たいところ(桷)が見つかり、水かきがあって木に止まりにくい鴻であっても、何とか枝から落ちずに済むように、咎なきを得るわけです。
(加藤大岳述 易学大講座 現代語要訳)