かふうてい4

独学者のための易経解説
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火風鼎 四爻

かふうてい よんこう
まずは、やさしい解説から

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<爻辞>
「鼎足を折る。公の餗を覆えす。其の形渥たり。凶」

<読み方>
てい あしを おる。こうの そくを くつがえす。
そのけい あくたり。きょう。

<爻辞の意味>
「鼎(かなえ)の脚が折れる。公の料理をひっくり返す。その刑は重い。凶」

「火風鼎」とは「養い」について説かれた卦(か)です。

「養いの卦」と言えば「水風井」も同じでしたが、水風井は「水」をもって養い、 こちらの火風鼎は「火」をもって(食べ物を作り)養う卦です。

そんな中この四爻では鼎(三本脚の付いた鍋)の脚が折れて大事な料理をひっくり返してしまうと言っています。

この料理は、神を祀り賢人たちをもてなすための物だったので、重い刑に処せられます。


「占った事柄」と「上記の説明」を、スライドガラスを2枚重ね合わせるようにして解釈してみて下さい。

また、下記の
「加藤大岳述 易学大講座」の要約も、ぜひ併せてお読みになり理解を深めましょう。


加藤大岳述 火風鼎 四爻

<説明の要点>

これも鼎の実なるものですが、三陽爻の極にあって、内容の重さが最も大きい所です。

それを支えるのが、応爻の初爻なのですが、陰爻ですから足の力が弱く、重みを充分に支えることができません。

その重さに耐えかね足を折ってしまい、鼎がひっくりかえるのです。

そして公の餗を覆してしまうのですが、餗というのは鼎の中の珍味であって、それは私のために煮ているのではなく、天帝を亨り聖賢を養うためのものなので、特に「公の餗」と言っているのです。

いわば四爻は、ちょうど二爻と応比の位置を換えた立場にあるものです。

比爻の五爻の君側にあって補佐の重責に任じなくてはならないのに、あしき病のあるように応の初爻に泥み、大事を破るという爻象です。

形というのは、古い本では「刑」となっていて、刑罰のことです。

渥とは屋扁に利刀をつくりとした文字が本字で、屋内で死刑にされることであり、重刑です。

まことに凶であることは、言うまでもありません。

加藤大岳述 易学大講座 現代語要訳)


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