けんいてん3

独学者のための易経解説
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乾為天 三爻

けんいてん さんこう
まずは、やさしい解説から

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<爻辞>  
「君子終日乾乾。夕べまで愓若たれば厲うけれど咎なし」

<読み方>   
くんし、しゅうじつけんけん。ゆうべまで てきじゃくたれば、あやうけれど とがなし。



<爻辞の意味>
「朝から晩までコツコツと努め励み、畏れ慎んで過ごすなら、危うい立場にあっても問題ない」

易経全体を通じて、三爻と四爻というのは、内卦(初爻~三爻まで)から外卦(四爻~上爻まで)へ移る場所なので「不安定な場所」という要素が加味されることが多いです。

この乾為天三爻も、その一つであり「危うい場所にいる」とされていますが、そんな時でも一日中、慎重にコツコツと努力を重ねているならば問題はありませんよ、と言っています。

いわば「条件付きの大丈夫」ですね。



「占った事柄」と「上記の説明」を、スライドガラスを2枚重ね合わせるようにして解釈してみて下さい。

また、下記の
「加藤大岳述 易学大講座」の要約も、ぜひ併せてお読みになり理解を深めましょう。


加藤大岳述 乾為天 三爻

<説明の要点>

この爻には龍の字がかけてありませんが、それはこの爻と四爻は人の位にあるからかもしれません。 

君子にちなんで言っています。

「君子終日乾乾。夕べまで愓若たれば」というのは、乾を一日とし太陽とします。

そして、この三爻の場所は、内卦の一日と外卦の一日とが接触する場所で、内卦 の一日が終わり、翌日に移ろうとする位置に当たるのです。

ですから「終日」とは、内卦の乾の一日の朝(初爻)と昼(中爻)を過ぎ、三爻の夕方 になったところを言ったものです。

「乾乾」とは、乾が剛健にして少しも倦み疲れることなく孜孜と(しんしんと=こまめ に努めるさま)道に努めることです。

乾は健に通じます。

そのように、乾の一日が終わるまで倦み疲れることなく努め励み、夕になるまで道 に違うことはないだろうかと恐れ慎むなら、危いところにいるのだが咎なくてすむ ……これを「厲うけれど咎なし」と 言っています。

なぜ危いのかと言えば、この爻は陽位に陽爻でいるので、進む気ばかりが強く少し も反省して手綱をしめようとする気持ちがないからです。

それに、この爻が変ずると天沢履(虎の尾を履むという卦)となり、並々ならぬ危さ があるとも言えるでしょう。

このように危い時であるので、何もしないでいて咎がないというのではなく、爻辞に あるように夕方まで恐れ慎めばこそ、咎がないということに注意しなくてはなりません。

加藤大岳述 易学大講座 現代語要訳)



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