らいかほう上

独学者のための易経解説
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雷火豊 上爻

らいかほう じょうこう
まずは、やさしい解説から

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<爻辞>
「其の屋を豊いにし、其の家を蔀う。其の戸を窺えば、闃として其れ人なし。三歳観ず。凶」

<読み方>
その おくを おおいにし、その いえを おおう。その とを うかがえば、げきとして それ ひとなし。さんさい みず。きょう。

<爻辞の意味>
「高大な家を建て、その家を覆う。その戸口から覗き見れば、だれも人がいない。三年間、だれも見たことがない。凶」

「雷火豊」とは「豊かさに処する道」について説かれた卦(か)です。

そんな中この上爻は、権力の盛んな時に大きな家を建てたが、その後衰退し、今では雑草が家を覆っている状態です。

中を覗き見ても人はなく、三年間もの長い間、だれも家の人を見かけたことがないと言っています。

これは道徳・才能の乏しい人が、一時は有頂天になるほど盛んな勢いを得たが、その後失脚し、家の奥に潜み小さくなっている姿だとされています。


「占った事柄」と「上記の説明」を、スライドガラスを2枚重ね合わせるようにして解釈してみて下さい。

また、下記の
「加藤大岳述 易学大講座」の要約も、ぜひ併せてお読みになり理解を深めましょう。


加藤大岳述 雷火豊 上爻

<説明の要点>

盛大のうちに兆した陰影が、終に巨大な覆いとなって、衰滅を見ることを、豊の卦の極に陰柔をもって居るこの上爻に示されました。

爻の位置を家に喩えると屋根に当たります。

しかしそれは、互卦の沢風大過の上にあり「棟たわむ」ほどの大きな家屋で、天を翔けて翼を広げている大鳥のような高屋です。

しかしその内部は草が生え茂っているように暗く、そこを覗いてみても、ひっそりとして人影もない…。

いつまで経っても、人の姿を見ることが出来ないと言うのです。

そして、このように不吉を生ずるのは、人がそうさせたのではなく、自分の小さな真実の姿を忘れて、勢いのままに外観だけを大きくし、その自分の体を見えなくしてしまったものなのですから、誰を咎めることができるでしょうか。

自ら隠れてしまったのです。

加藤大岳述 易学大講座 現代語要訳)


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