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<爻辞>
「其の疾いを損する。すみやかならしむれば喜び有り。咎なし」
<読み方>
その やまいを そんする。すみやか ならしむれば
よろこび あり。とがなし。
<爻辞の意味>
「その病を損する。速やかならば喜びがある。咎められる過失はない」
「山沢損」とは「物が減って少なくなること」について説かれた卦(か)です。
そんな中この四爻は「自分自身の病が減る」と言っています。
病が減るとは「病気が良くなる」ということです。
速やかにそうなるように、この四爻は自分を助けてくれる人や事柄を進んで受け入れなくてはなりません。
「占った事柄」と「上記の説明」を、スライドガラスを2枚重ね合わせるようにして解釈してみて下さい。
また、下記の
「加藤大岳述 易学大講座」の要約も、ぜひ併せてお読みになり理解を深めましょう。
<説明の要点>
内卦、初~三爻は、損して他を益す立場にありましたが、外卦の三つの爻は、その乏しいところを他から益してもらうという立場にあります。
この四爻は、五爻に比する補相の地位にありながら陰位に陰で居るその陰柔不才を、応位の初爻の力を借りて補わなくてはならない。
それゆえ「その力弱きを益す」と言うべきところを、卦が損であるところから、同じ内容であっても「其の疾いを損する」と表現しています。
「疾」というのは、思う通りに自身を動かす事が出来ない力弱さを表しています。
いわば「体が健康になる」と言う代わりに「病気が良くなる」と表現するようなものです。
下にある人員・資材を徴用する場合に当たっているのが損なのですから、それを行うのに速やかさを要することは初爻のところで説明したとおりです。
そして、その位にありながら力足らずして心のままにならないということは咎あるべきことですが、下よりする速やかな補いを得て咎を免れるというわけです。
それが「すみやかならしむれば喜び有り。咎なし」です。
これは、ただ咎を免れるだけではなく、心のままにならなかった疾いのような身が、それによってすっかり働きをなすことができるのは、これもまた一つの喜びではないか言い添えているのです。
(加藤大岳述 易学大講座 現代語要訳)