すいふうせい上

独学者のための易経解説
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水風井 上爻

すいふうせい じょうこう
まずは、やさしい解説から

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<爻辞>
「井収みて幕う勿れ。孚有りて元吉」

<読み方>
せい くみて おおうなかれ。まことありて げんきつ。

<爻辞の意味>
「井戸の水を汲んでも覆ってはいけない。清らかな水は尽きることなく大吉」


「水風井」とは「養う」ことについて説かれた卦(か)です。

井戸の水が人や植物などを養うことに喩えています。

そんな中この上爻では、理想的な井戸の姿…完成形を現しています。

清らかで冷たい水が尽きることなく湧き出す井戸。

それが大勢の人々に用いられてこそ「養いの道」です。

独占せず大勢の人に用いられるためには、井戸に蓋をしてはいけません。

このように清らかな水は、人の真心にも喩えられています。


「占った事柄」と「上記の説明」を、スライドガラスを2枚重ね合わせるようにして解釈してみて下さい。

また、下記の
「加藤大岳述 易学大講座」の要約も、ぜひ併せてお読みになり理解を深めましょう。


加藤大岳述 水風井 上爻

<説明の要点>

この爻も陰なので、水ではなくて井戸の器の方ですが、卦の終わるところにあるので、井戸の上部で蓋をすべき部分に当たります。

また用の終始から言うと、汲み終わったところに当たります。

けれどもこれは陰で上が欠けていますので、汲み終わっても蓋をしない象です。

往來井井とある井徳をもって分け隔てをせず、あらゆる人が汲み行くのに任せてやろうとする孚からです。

これを人にすれば、極まれる大徳と称すべく、元吉でなくて何としましょう。

人徳において濁れるを去り、難きを修め、人が取って自らを養うに資し、しかも尽きることなく、拒むことなしと言うならば、釣瓶をなおして、その瓶(かめ)をもって水を上げ、井功を遂げたのと同じで、まことに

人としての大成と言わなくてはなりません。

加藤大岳述 易学大講座 現代語要訳)


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