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<爻辞>
「馬に乗りて班如。泣血漣如たり」
<読み方>
うまにのりて はんじょ。きゅうけつ れんじょたり。
<爻辞の意味>
「この悩みの時をなんとかしようと馬に乗って出かけるも、自分には力がなくウロウロするだけ。ただ泣き叫ぶばかりで、どうすることもできない」
水雷屯の悩みの時に、この上爻も「何とかしなくては」と、動き出します。
しかし、この上爻は陰爻ですから力が弱いです。
動き出したところで全く解決できません。
しかも助けてくれる者もなく、ただただ泣き叫ぶばかり…。
「占った事柄」と「上記の説明」を、スライドガラスを2枚重ね合わせるようにして解釈してみて下さい。
また、下記の
「加藤大岳述 易学大講座」の要約も、ぜひ併せてお読みになり理解を深めましょう。
<説明の要点>
馬に乗るとは、五爻に乗るということです。
全卦の極にいて、陰柔不才で応援もない。
進もうとし、退こうとする形だが、どうしようもない。
悩みの極みにいる者である。
馬に乗って駆けるような想い、しかも行く手の定まらない(班如)
焦燥であるが、助けを求めることもできない。
それで泣くのだが、眉を焼くような苦しみで、流す涙は血の涙と
いうのです。とめどもなく、ひっきりなしに泣くのです。
しかし、いつまでも泣き続けることが出来るものではない。
つまりは、身を破るに至るのです。
これを解釈すると、乗っている馬が走りだして止まらない。
そこで泣き叫ぶのだが、だれも傍にいない。
馬は、その声に驚いてさらに勢いを増して駆けだす。
そうなったら、ただ馬のたてがみにすがりつき、号泣するだけで、
どうしようもない。
いつまでも振り落とされずに、しがみついていることは出来ない。
という状況をいったものだと見て良いでしょう。
(加藤大岳述 易学大講座 現代語要訳)