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<爻辞>
「節に甘んず。吉。往きて尚ばるる有り」
<読み方>
せつに あまんず。きち。いきて たっとばるる あり。
<爻辞の意味>
「悦び楽しんで節度を守る。吉。進んで行けば尊敬されるような功績があがる」
「水沢節」とは「節度、節制すること」について説かれた卦(か)です。
そんな中この五爻は、悦んで節度を守ることができる者です。
また、規律を作るにしても、自分も周囲もそれほど窮屈でないバランス良い規律を定めることができます。
このようであれば吉であり、進んで事を行っても尊敬されると言っています。
「占った事柄」と「上記の説明」を、スライドガラスを2枚重ね合わせるようにして解釈してみて下さい。
また、下記の
「加藤大岳述 易学大講座」の要約も、ぜひ併せてお読みになり理解を深めましょう。
<説明の要点>
この爻も位が正しいばかりでなく、剛中をもって節の主となっているものです。
四爻では「安んず」とあり、平らかで乱れないことを示しましたが、ここでは「甘んず」とあり、平らなばかりでなく、それを甘い(うまい)ものとして楽しむのです。
この水沢節の卦を地天泰の安泰を永続させるための節というところから生まれてきたものとして、節のもとの卦である泰を考えますと、その外卦坤を安らかとし、また甘しとするので、そこに四五爻の爻辞の由来を察することもできます。
その坤の中爻として、内卦より進んで一陽が五爻に位を得、坎の「行きて尚ばるるあり(坎為水の卦辞)」という節の主となったのだと解釈することもできます。
しかし、人にとって難しいとされる節を悦びをもって行い甘んずるのであれば、人もこれに習って、あまねく節が尊び行われるようになるというのが、この真意だと言えるでしょう。
(加藤大岳述 易学大講座 現代語要訳)