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〈爻辞〉
「枯楊稊を生ず。老夫其の女妻を得。利ろしからざるなし」
〈読み方〉
こよう ていを しょうず。ろうふ そのじょさいを う。よろしからざるなし。
<爻辞の意味>
「枯れかけた柳の根元から新たな芽が出た。年取った男が若い妻を娶った。大変よろしい」
「沢風大過」とは「大いに過ぎる」ことについて説かれた卦(か)です。
そんな中この二爻は、日照りが強過ぎる、あるいは水が多過ぎることによって枯れかけた柳でしたが、ギリギリのところで生き返り、新芽が根元から出てきたと言っています。
また、年を取り過ぎた男であっても若い女性を娶れば、子孫を残せることになります。
この二つは例は違いますが、同じようなことを言っています。
行き過ぎたものが緩和され、よみがえるということです。
「占った事柄」と「上記の説明」を、スライドガラスを2枚重ね合わせるようにして解釈してみて下さい。
また、下記の
「加藤大岳述 易学大講座」の要約も、ぜひ併せてお読みになり理解を深めましょう。
<説明の要点>
二爻は、池のほとりの木とします。
枯楊は枯れかかった楊(やなぎ)です。
水気を欲し、水を降らすというような木ですが、大過は陽が多すぎ「沢木を滅す」にしても日照り等で枯れたと見ます。
枯れかかった楊も、下に初爻の比爻があり、陰の気を受けます。
変ずると沢山咸となり、交感を得るわけです。
それは枯楊の切り株に芽を吹く象に見られます。
「稊」は「ひこばえ」です。切り株などに再生する芽です。
これを人の上に取れば、老境の人がその後妻を得るようなものです。
この爻は妻妾の位ですから、特に女妻と見ているのです。
「女」とは娘で、若い妻の事です。
年において、その力において常を過ぎていますが、生育の功を為せるので「利ろしからざるなし」と見ているのです。
(加藤大岳述 易学大講座 現代語要訳)