ちらいふく ほんか
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━━━主爻
〈卦辞〉
「復は亨る。出入疾い无く。朋来たるに咎なし。反復の其の道、七日にして来復す。往く攸あるに利ろし」
〈読み方〉
ふくは とおる。でいり やまい なく。とも きたるに とがなし。はんぷくの そのみち、しちじつにして らいふくす。いくところあるに よろし。
〈説明の要点〉
この卦は、十二消長卦のひとつで、陽の長ずる卦です。
山地剥とは綜卦になっています。
この初爻の一陽は、前の山地剥の上爻に載っていた一陽で、「碩果食われず」の果実が、ついには熟成して落ち、坤地の下に埋もれてしまったが、ひと粒の果実、地に落ちて死なず春を待ってよみがえるというところです。
ここでは、一陽が来復したことだけを重く見て、来復した陽気が順調に成長して行くかどうかは、もう少し経ってみないとわからないとしています。
地雷復の卦は冬至に当たります。
月にすれば十二月。物の実が地下に復って、やがて芽吹くための備えを始めるというところです。
地雷復は、山地剥の卦と相関的であるという見方ができるので、剥の卦辞を引き合いに出してみます。
剥には「往く攸あるに利ろしからず」とありましたが、剥がし尽くされた陽が来復し、次第に進み長じようとするこの復の卦は、ちょうど剥とはあべこべの象意があるわけですから、復の方には剥とは反対に「往く攸あるに利ろし」とあるのです。
それは陽の正しい道が再び立ち戻って次第に大きくなろうとしているのですから「復は亨る」道筋です。
山地剥で剥がし尽くされた一陽が、次第に勢いを増していく様子を語ったのが「出入」から「来復」までの句です。
「出る」というのは陽が長じて外に進むことであり、入るというのは陰の勢いが極まって内に一陽の反ることです。
いわば消長のことで、その循環が時に応じ順がい(外卦坤)、動(内卦震)いて健やかに行われる。
その健やかさを「疾い无く」と言っています。
それから「朋」というのは、この卦の主爻である初爻と同じ陽爻のことで、それが来るということになると、復が臨となり、泰となるわけで、それもまた陽の長ずることを言ったもので、咎のあるはずがありません。
この消長の反復の過程は、陽の極盛の時「乾」から数えて姤・遯・否・観・剥・坤・復 と七転しているわけで、これを「反復の其の道、七日にして来復す」としています。
(加藤大岳述 易学大講座 現代語要訳)