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<爻辞>
「虞れば吉。它あれば燕からず」
<読み方>
はかれば きち。たあれば やすからず。
<爻辞の意味>
「よく思いめぐらせば吉。他を信じるならば安らかでなくなる」
「風沢中孚」とは「真心が信頼関係を生む道」について説かれた卦(か)です。
そんな中この初爻は、初めによく考え相手が信頼に値するものだと気付けば吉だと言っています。
そして一たび、そう見極めたなら途中で疑ったりして他へ心を移せば、自分自身が安らかさを失ってしまうということです。
「占った事柄」と「上記の説明」を、スライドガラスを2枚重ね合わせるようにして解釈してみて下さい。
また、下記の
「加藤大岳述 易学大講座」の要約も、ぜひ併せてお読みになり理解を深めましょう。
<説明の要点>
「虞」というのは、屯の三爻で「鹿に即きて虞なし」とあった、あの山沢をつかさどるもので、鳥獣草木によく通じ、はかり知ることです。
そのように案内によく通じて間違えることなく、応爻の四爻と孚し合う時は吉を得られます。
しかし、心を他に転ずるようなことがあれば、安からぬところが生ずると言うのです。
「它」とは前に沢風大過四爻のところにもありましたが、正しい相手の他に心を向けることです。
「燕」とは、信じて軒に巣を営み安んずるものなので、安息の義を取っています。
この卦の各爻で、象を鳥に取るのが少なくないのは、大卦の離を鳥とするからでしょう。
(加藤大岳述 易学大講座 現代語要訳)