━━━
━━━
━ ━
━━━
━ ━
━ ━○
<爻辞>
「鴻、干に漸む。小子厲うし。言有るも咎なし」
<読み方>
こう、みぎわに すすむ。しょうし あやうし。ことあるも とがなし。
<爻辞の意味>
「鴻が水のほとりに進んだ。若者や器の大きくない者ならば危うい。批判を受けるが、咎められることではない」
「風山漸」とは「徐々に進む」ことについて説かれた卦(か)です。
鴻(コウ = カモより一回り大きいくらいの水鳥)が水から離れて徐々に高いところへ行く様子に喩えて、各爻が説かれています。
そんな中この初爻は、鴻が水面から離れて、水辺に上がったところです。
高いところへ行くための第一歩です。
その不慣れで危うい様子を、若者などが初めて世間に出たようなことに重ね合わせています。
そのような時には、人から批判を受けたりする失敗をしてしまいがちですが、まだ仕方のないことであり咎められるほどの過失ではないと言っています。
「占った事柄」と「上記の説明」を、スライドガラスを2枚重ね合わせるようにして解釈してみて下さい。
また、下記の
「加藤大岳述 易学大講座」の要約も、ぜひ併せてお読みになり理解を深めましょう。
<説明の要点>
これは卦の始めで、水際でまだ飛び悩んでいるところです。
例えてみれば、若者が初めて官に仕えたのにも当たるでしょうが、位が正を得ずして安からぬところに、上に応じている爻もなく、引き上げてくれる手掛かりもないので、昇りかねるきらいがあります。
言ってみれば、傍から文句なども出て危いところです。
しかし若くて慣れないため危いのは、やむを得ないことです。
ですから、そこから漸をもって進むという意味において、咎は無いのです。
(加藤大岳述 易学大講座 現代語要訳)