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<辞>「晋如。愁如。貞にして吉。茲の介福を其の王母に受く」
<読み方>
しんじょ。しゅうじょ。ていにして きち。この かいふくを その おうぼにうく。
<爻辞の意味>
「進もうとしても進むことができずに憂える。正しい道を守っているので吉。後には大きな幸福を祖母から受け取ることになる」
「火地晋」の卦(か)は「進みかがやく」ことについて説かれた卦です。
そんな中この二爻も、初爻と同様、進もうとしても進むことができず憂えるものです。
しかし正しさを守っているので吉だと言っています。
それゆえ後には大きな幸福を受けることとなりますが、それは上記にあるように必ずしも「祖母」から受け取ると限定されたわけではありません。
目上の人や女性から引き立てを受ける、あるいは神から受け取るなど、色々な解釈ができます。
「占った事柄」と「上記の説明」を、スライドガラスを2枚重ね合わせるようにして解釈してみて下さい。
また、下記の
「加藤大岳述 易学大講座」の要約も、ぜひ併せてお読みになり理解を深めましょう。
<説明の要点>
初爻は「摧如」でしたが、この二爻は「愁如」とあって、進もうとして愁い止まる様を示しています。
その憂いの原因となっているのは、やはり四爻です。
この四爻は初爻に対し、艮として阻みましたが、この二爻に憂いを起こさせるのは三爻~五爻でなされる坎険の主としてです。
坎は、痛み・愁うるです。
ですから初爻と同様に、あくまでも進もうとする意志は曲げず、志を固くして終には吉に至るのを「貞にして吉」と言っています。
しかし、その吉というのは馬を賜る喜びではなく、王母から大きな幸せが恵まれるものだと言い添えています。
それは初爻は君位の五爻と応でも比でもないので、未だ命を受けざる者に喩えたのですが、二爻は応爻ですから障害を排して後に進み仕えて幸いを賜るのです。
介とは大きいことです。
また王と言わずに王母としているのは、五爻が陰で王位にいるからです。
(加藤大岳述 易学大講座 現代語要訳)