━ ━
━ ━○
━ ━
━ ━
━ ━
━ ━
<爻辞>
「黄裳元吉」
<読み方>
こうしょう げんきつ
<爻辞の意味>
「君位にあっても、謙虚さを忘れなければ、大いに吉である」
どの卦においても「五爻」というのは「君位」(= 王様とか社長とか)に当たります。
君の位なのですから本来「陽爻」でなくては、ふさわしくありませんね。
しかし坤為地は全部が陰の卦。
王様なのに「陰」なのです。
ですので「自分は力の弱い王様だ」ということを良く自覚し、謙虚であることによって吉を得られると言っています。
「占った事柄」と「上記の説明」を、スライドガラスを2枚重ね合わせるようにして解釈してみて下さい。
また、下記の
「加藤大岳述 易学大講座」の要約も、ぜひ併せてお読みになり理解を深めましょう。
<説明の要点>
「黄」というのは五行で言うと地の色です。
「裳」は衣裳の裳ですが、「衣」のほうは上衣で乾に当たり、下衣の「裳」は袴であり坤に当たります。
この爻は君位ですが、これは坤の卦であり陰の爻ですから、坤の徳の従順貞正を特に重んじ、君位にある者が目下の才能ある者(二爻のような臣)を登用し政をすべきであり、そうしてゆけば元いに(おおいに)吉だという意味です。
また「自分は陰であり剛健強壮でない、正しい主ではない」ことをよく自覚し、自分のいる位置の恐れ多きを知って、敬虔な態度であったなら吉だということです。
五爻は君位で、しかも外卦なのですから、本来は上衣を用いて辞をかけるべきですが、臣の道・妻の道を主に教えている坤の卦ですので、下衣の「裳」でもって辞がかけられています。
(加藤大岳述 易学大講座 現代語要訳)