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<爻辞>
「龍野に戦う。其の血玄黄」
<読み方>
りゅう やに たたかう。そのち げんこう。
<爻辞の意味>
「龍が野で戦い、血を流している」
龍というのは坤為地ではなく、強さの象徴「乾為天」を表すはずでした。
しかしなぜか、坤為地の上爻に突然、現れましたね。
これは、従う卦「坤為地」であるのに、一番上の位まで来てしまい、いらぬ強さを持ってしまったのです。
しかし本質は坤為地ですから、本当に強いわけではありません。
それで血を流す羽目になっているのです。
「占った事柄」と「上記の説明」を、スライドガラスを2枚重ね合わせるようにして解釈してみて下さい。
また、下記の
「加藤大岳述 易学大講座」の要約も、ぜひ併せてお読みになり理解を深めましょう。
<説明の要点>
この爻は、初爻の辞「霜を履みて堅氷に至る」と合わせて考えると分かりやすいです。
陰が初めて凝って霜となったのが、その道の上爻まで極まれば、堅氷(乾の象)にまでなってしまうわけです。
この上爻は、その堅氷になってしまったところです。
「龍」というのは、陰が極まり上って行って、強い勢いとなったもののことで、坤が乾の龍と同じような勢いを得たということです。
しかし全陽の卦である「乾」の龍は、元々強剛です。
一方、坤の龍は、陰の道が極まって物すごく強くなりました。
それが両立することとなれば、「共に傷つき血を流す」ことになります。
その血の色が「玄黄」だと言うのです。
「玄」は乾の色で、天の色。「黄」は坤の色で、地の色です。
しかし坤の龍は、そのようにいくら強くなったとしても、本性は陰のままなのです。
また、陰も陽も、長じていくと互いに変化します。
それと同じことが卦の上爻でも言えます。
初爻は初めであり、上爻は他の事柄へと移りゆくところです。
(加藤大岳述 易学大講座 現代語要訳)