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<爻辞>
「蒙を包ぬ吉。婦を納る吉。子家を克す」
<読み方>
もうを かぬ きち。ふを いる きち。 こ いえを よくす。
<爻辞の意味>
「師匠の立場にある者は、幼い者を指導するにあたり包容力がなくてないけない。
そして教える者、教わる者は、夫婦のごとく、親子のごとくの信頼関係であれば大きなことができる」
「師匠が幼い者を導く」という山水蒙の卦(か)の中で、この二爻が「師匠」です。
師匠は、包容力を備えることと、教える相手との信頼関係が大事です。
この山水蒙の中で、師匠は二爻、そして教わる側のお手本となるのが五爻です。
その五爻を「婦(妻)」と見立てて表現したり、あるいは師匠の二爻を「子」と見立て、親子のように和して教育を行うなら上手くいくと説いています。
「占った事柄」と「上記の説明」を、スライドガラスを2枚重ね合わせるようにして解釈してみて下さい。
また、下記の
「加藤大岳述 易学大講座」の要約も、ぜひ併せてお読みになり理解を深めましょう。
<説明の要点>
この爻は、山水蒙の成卦主爻で、師の爻です。
この二爻は剛中を得ていて、五爻と正応しています。
これは、すべての蒙昧な者を包容し教育していくもので、初爻、三爻、四爻、五爻という四つの陰爻を蒙と見てのことです。
「包ぬ」とは、包容すること。二爻が変ずると、坤になるからです。
これを夫婦関係として見てみると、この二爻は剛中を得ているので家を調えるのに巧みであり、五爻の陰と相和しているので「婦を納る吉」としたのです。
親子として見れば、五爻が母であれば、この二爻がしっかりしているので、父の亡きあとを継いでよく治めていくことができるので、「子家を克す」と説いています。
(加藤大岳述 易学大講座 現代語要訳)