━━━
━━━
━━━○
━━━
━━━
━ ━
<爻辞>
「包に魚なし。凶を起こす」
<読み方>
つつみに うおなし。きょうを おこす。
<爻辞の意味>
「包みに魚がない。凶を起こす」
「天風姤」とは「(良からぬ者などに)思いがけず遇う」ことについて説かれた卦(か)です。
そんな中この四爻では「魚がない」と言っています。
魚とは、二爻の説明と同様「良からぬもの」のことです。
その魚は、二爻によってすでに匿われているため、四爻が求めても手に入りません。
ここで、この四爻がすんなり諦めれば(ほしいのは良からぬものなのだから)幸いです。
しかし何が何でも自分のものにしようと争いを起こせば凶だと言っています。
「占った事柄」と「上記の説明」を、スライドガラスを2枚重ね合わせるようにして解釈してみて下さい。
また、下記の
「加藤大岳述 易学大講座」の要約も、ぜひ併せてお読みになり理解を深めましょう。
<説明の要点>
この四爻は初爻と応爻ですから、本来なら初爻と最も密接な関係にあるべきですが、既に二爻がそれを包んでしまっているので、四爻の方は「包に魚なし」です。
「凶を起こす」とは、この四爻は大臣・宰相の地位なので、五爻の君を補佐し庶政を治めるべきであり、初爻のようなものは、まず第一に目を付けて処置しなくてはならないのに、二爻にそれを行われているのは、いかにも遅鈍です。
それというのも民情に疎く、注意が行き届かないからだとし、そのために凶を起こすのだとしています。
二爻と四爻は共に陽爻で、二爻は比爻、四爻は応爻になっているので、初爻に対する関係はさして変わりはないはずですが、二爻は魚を包み得て、四爻は包み得ないのは、二爻が中を得ているのに四爻は不中だからです。
これを見ても分かるように、易では中を得るということを、いかに重く見ているかということです。
(加藤大岳述 易学大講座 現代語要訳)